豊橋市に産卵のためやってくるアカウミガメを調査、保護するために、日々海岸で活動する「豊橋市アカウミガメ実態調査員」。今回は2人の調査員に誰もが思う素朴な疑問を聞いてみました。少しだけ実態調査員の頭の中を覗いてみてはいかがでしょうか。
Aさん:市内在住の70代男性。現在調査員歴8年目のベテラン調査員。
Bさん:市外在住の30代女性。現在調査員歴3年目の最年少調査員。岡崎市から表浜海岸に通い調査に参加している。
Q1.アカウミガメは好きですか?
(Aさん)
好きです。守ってやりたくなる、そんな動物です。
(Bさん)
好きです。元々生き物全般大好きですが、調査に参加するようになってからは一番好きな動物です。
Q2.調査員になったきっかけを教えてください。
(Aさん)
大病を患った際に、健康のため毎朝歩く必要があり、そんな時に知り合いから「健康維持のついでにアカウミガメの調査をしてみては?」と勧められたのがきっかけです。
(Bさん)
豊橋市で開催している「竜宮探検~表浜のアカウミガメ調査員養成講座~」を受講し、生まれて初めてアカウミガメの産卵を目撃しました。その時の感動が忘れられず、調査員になりました。
(担当のコメント)
本市で開催しているイベントでもウミガメの産卵に遭遇することは稀です。Bさんは本当に運が良かったです。
Q3.調査員になる前からウミガメに関する知識はありましたか?
(Aさん)
調査員になる前に、調査員の先輩と海岸を一緒に歩いたことがあったので、ある程度は知っていました。
(Bさん)
ほとんどありませんでした。子供のころにウミガメの本を読んだぐらいです(笑)。
Q4.調査員になってからはアカウミガメについて勉強しましたか?
(Aさん)
はい。ウミガメについてだけでなく、海岸環境や海流、海況など、幅広く勉強するようにしています。
(Bさん)
はい。Aさんから本を借りて勉強することが多いです。また、海岸を歩いている中で分からないことがあれば徹底的に調べるようにしています。
Q5.調査は何時ころに行っているんですか?
(Aさん)
日の出前から調査をはじめて、日が出るころには半分ほど調査が終わっています。
(Bさん)
午前6時頃から調査を行っています。
Q6.天候が悪い日も調査は行っているんですか?
(Aさん)
雨の日でも傘をさして調査を行います。高波などにより、あまり砂浜に近づけない時には双眼鏡を使って調査を行うときもあります。
(Bさん)
よほどの大雨でない限り傘をさして調査を行います。
(担当者)
台風や大雨など、悪天候の際には調査員の安全を最優先に考え、調査は行わないようにお願いをしています。
Q7.調査を行うときに気をつけていることはありますか?
(Aさん)
卵を扱う際に、卵を傷つけないこと、上下を反転させないことを特に気をつけています。正常に卵からふ化しなくなってしまうからです。
(Bさん)
親ガメや子ガメの足跡を見逃さないように注意することです。また、本当にウミガメの足跡なのか判断に迷うときはベテランの調査員に確認し、一人で判断しないように気をつけています。
Q8.調査員になってからあなた自身の中で変わったことはありますか?
(Aさん)
ウミガメのことはもちろん、生態系全体についても考えるようになりました。ウミガメの保護について考える時、生態系全体についても考える必要があるためです。
(Bさん)
社会人になってからは、自然に親しむ機会が減っていたが、調査員になってからは表浜海岸を含めて様々な自然に親しむ機会が増えました。
Q9.調査員になってから一番大変だったことは何ですか?
(Aさん)
早朝の調査を続けていると、調査を行わない時期にも自然に早朝に目が覚めてしまうことがあり、大変です。
(Bさん)
「フルタイムの仕事」と「実態調査」を両立することです。
Q10.調査員になってから一番印象に残っていることは何ですか?
(Aさん)
初めて産卵のため上陸したアカウミガメを見たときです。
(Bさん)
初めて産卵巣からふ化脱出するアカウミガメの子ガメを見たときです。
Q11.(Aさんに質問)Aさんは調査員になってから今年で8年目ですが、長く続けてこられた理由は何ですか?
(Aさん)
海岸では毎日、毎年、同じ場所であっても、毎回違った出来事が起きます。なので飽きるということがないんです。
Q12.(Aさんに質問)アカウミガメや表浜海岸についてもっと知りたいです。何から始めるのがいいですか?
(Aさん)
最近はインターネットを使えば写真や動画などいくらでも出てきます。でも、音やにおい、暑さなど、実際に表浜海岸来て体感してもらいたいです。海岸で私たち実態調査員に話しかけてもらったら、ウミガメや表浜海岸について飽きるまでお話しします(笑)。
Q13.(Bさんに質問)Bさんは岡崎市から豊橋市の表浜海岸に調査のため通っています。仕事と調査も両立しています。大変な思いをしてまで続けられるのはどうしてですか?
(Bさん)
生態系のダイナミックな動きを感じることができるからです。普通に生活している中では感じることはできません。また、調査員の仲間や市民の方たちと感動や喜びを共有できることも幸せです。
Q14.あなたにとってのアカウミガメ実態調査とは?
(Aさん)
私にとってはもはや生活の一部です!
(Bさん)
ウミガメだけでなく、自然という大きな存在を感じることができる大切な時間です!
最後にこのインタビューを読んでいる方にメッセージをお願いします!
(Aさん)
興味がある方は、表浜海岸に足を運んでみたり、「竜宮探検~表浜のアカウミガメ調査員養成講座~」に参加するなどして、その目で、耳で、鼻で”体感”してみてください。まずはその一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?
(Bさん)
調査を行っていると、嬉しい気持ち、悲しい気持ち、大変な思い、様々な感情が生まれます。是非、私たち実態調査員と一緒にその思いを共有しましょう!
このインタビューを見てご興味をもっていただいた方へ・・・
「豊橋市アカウミガメ実態調査員」は現在10名前後で調査を行っています。アカウミガメの保護のためには、豊橋市にやってくるアカウミガメの実態を継続して知ることが重要です。
調査精度の向上や継続的な調査を行うため、新しい調査員を随時募集しています。
ご興味をもっていただいた方は、
豊橋市役所 環境保全課 TEL 0532-51-2385
までお気軽にお問い合わせください。
また、毎年次世代のアカウミガメ実態調査員を発掘するため、
「竜宮探検~表浜のアカウミガメ実態調査員養成講座~」
を開催しています。
是非、参加をご検討ください!
関連リンク
・アカウミガメの来る表浜海岸
・アカウミガメ実態調査員の活動について