左から:公会堂の前(国道1号線)、国道1号線、駅前大通り、駅前大通り(冬)
左から:ビール電車(夏)、東田電停付近、豊橋駅前、おでんしゃ(冬)
路面電車とは、道路上に敷かれた線路を走る電車のことです。かつては全国50箇所以上で走っていましたが、現在では全国で17都市19路線のみ走行しています。近年、環境配慮や高齢化問題などを受け再評価されつつありますが、現在東海地方では豊橋市内でしか見ることができません。
豊橋を走る路面電車は、豊橋鉄道株式会社が運営しています。名称を「豊橋鉄道市内線」と言いますが、いつからか市民の間では、市内を走る電車→市内電車→「市電」と愛称で呼ばれるようになりました。
大正14年から走り始めた豊橋の路面電車は、当時から市民の足としての大事な役割を果たしてきました。車移動が主となった今でも通勤通学での交通手段や豊橋市の観光目的として年間約300万人が利用しています。
東京から大阪をつなぐ国道1号線で市電が走っているのは豊橋市だけです。通勤ラッシュの渋滞も関係なく、1号線の真ん中を悠然と走っていきます。また、井原という電停には路面電車の中で日本一急なカーブがあります。軌道から外れそうなくらい目いっぱい車体が旋回する様子を撮影するためにわざわざ豊橋市を訪れる方もいる、有名なスポットとなっています。
電車に揺られて夕暮れのまち並みを眺めながら、ビールやおでんを楽しむ…そんな体験ができる期間限定の企画電車もあり、大変人気です。夏はビール電車、冬はおでんしゃがあり、予約開始直後に予約がいっぱいになってしまうほど人気で、市民にも親しまれています。
東三河地域の別名「穂の国」と路面電車を意味する「トラム」が名前の由来であり、内装はバリアフリー設計となっています。各方面からの多くの寄付と協力があり、市民、企業、行政の協力で「ほっトラム」の導入は実現しました。