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教育長あいさつ

教育長あいさつ ~「生きる力」を磨き深める

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教育長 原田 憲一

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人が人に「教」え、人が人を「育」てる。「教育」は、そんな崇高な営みです。そして、教育を受けた人は、次代を担う人を教え育てていきます。また、教育を受けた一人一人が家庭を築き、その家庭が集まって町を築き、社会を築いていきます。このように、「教育」は、未来の人を創り、未来の社会を創る営みなのです。
 こうした考えをもとに、私は、『教育は未来を創る営み』を基本理念に、次代を担う人づくりをめざし、生きる力を磨き深める豊橋の教育を推進してまいります。

 先行き不透明で混沌とした時代、この先どんな世の中になっていくのか、見通すことは容易ではありません。しかしながら、生きることは日々問題解決であり、人は、直面する問題に対して常に最適解を求め、生き抜いていかなければなりません。そのようななか、次代を担う人には、何が求められているのでしょうか。
 私は、「3つの資質」が必要であると思っています。その3つとは、「たくましさ」「しなやかさ」「かしこさ」です。どのような時代であっても、困難に負けることなく、また、目の前の問題から逃げることなく乗り越え生きていく、そんな「たくましさ」が必要です。また、価値観が多様化する一方で、人間関係が希薄となって生きづらさを感じる社会において、折れることなく、周りの状況に柔軟に対応しながら生きていく、そんな「しなやかさ」が必要です。さらに、日々進化する情報化社会において、本質を見失うことなく、自分自身で問題に気づき、考え、悩み、判断しながら生きていく、そんな「かしこさ」が必要です。
 この3つの資質「た・し・か」さこそが、次代を担う人には欠かせないと思います。

 では、この「た・し・か」さを、どのようにして養っていけばよいのでしょうか。
 そのために必要なのは、何と言っても、実感を伴った「体験」です。心が揺さぶられるような体験は、単なる出来事ではなく、深い意味をもつ「経験」として、人の価値観や思考の枠組みを変えていきます。それゆえ、その体験はバーチャルや表面的なものではなく、人間らしい感情を存分に味わえる、リアルな体験でなくてはなりません。そして、こうした価値ある体験を、学校、家庭、地域、それぞれの場において、存分に積ませてほしいと願っています。
 一方、教育における環境づくりも大切です。なかでも、「教育は人なり」と言われるように、「どこで・何を」学ぶかよりも「だれから」学ぶかといった、人を育てるための人的環境を整えることが重要です。この人的環境、学校においては「教師」、家庭においては「親」、地域においては「住民」が、同じ方向を向いて教え、育て、鍛える、そんな「地域の子どもは地域で育てる」環境づくり、言い換えれば、学校を核とした「教育の地域展開」が、これからの時代には必要不可欠であると考えています。

 社会も教育改革も先が見えないなかですが、答えは現場にあるはずです。そして、時代とともに変えていくべきことがあり、時代が変わろうとも変えてはいけないこともあります。それらを見極めながら、「た・し・か」な人づくりをめざし、学校、家庭、地域が一体となった「教育の地域展開」をしてまいります。
 そして、子どもたちの「た・し・か」な成長を求める一方で、「教育委員会を担う私たち自身の『た・し・か』さが未来を創る」という気概をもって教育改革に取り組んでまいります。

 

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