経緯
本市のスポーツ施設の中核である総合体育館は、建設から30年以上経過して老朽化が進む一方、土日を中心に利用の過密化が課題となっています。そこで、市民のスポーツ活動の場を確保するとともに、プロスポーツの観戦やコンサート開催などで、まちのにぎわいにも繋がるアリーナや武道場などを備えた「多目的屋内施設」の整備を令和9年度オープンに向けて進めています。
また、多目的屋内施設は、まちににぎわいを生み出し東三河の地域振興に貢献するとして、県内の市町村が整備する同種の施設としては、初めて愛知県から補助金などの支援を受けて事業を進めています。
整備の概要
多目的屋内施設には、メインアリーナ、サブアリーナ以外にも武道場、弓道・アーチェリー場やトレーニングルームなども整備され、スポーツ環境が格段に向上します。また、テニスコートや幅広い世代に親しんでもらえる多目的広場やこども広場の整備も併せて行います。
多目的屋内施設の主な機能
「アリーナ」とは、周囲を観覧席に囲まれた競技場のことで、スポーツ競技や興行イベントなどさまざまな利用が想定されます。
今回、整備するアリーナは、メインアリーナが2,700平方メートル以上(バスケットボールの競技面3面分の広さ!)、観覧席は5,000席以上を備え、エキサイティングなプロスポーツやコンサート、展示会の会場などとしても幅広く利用できます。
また、災害時には防災活動拠点として、隣接している市役所をはじめ、豊橋警察署、愛知県の東三河総合庁舎や東三河建設事務所と密に連携した迅速な活動が可能です。さらに、交通や物流の要である国道1号線沿いであるため、スムーズに救援物資を受け入れることができます。
こんなに良くなる市民スポーツの拠点 ~広域的な公式大会が開催できます~
テニス |
・計14面のコートが3か所に分散
・水はけが悪く雨天後、長時間利用できない場合がある
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・16面以上のコートを1か所に集約
・水はけが良くなり雨天後、早期利用が可能な砂入り人工芝コート
・屋根付観覧席を整備
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グラウンドゴルフ、
ゲートボール
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・豊橋球場などで競技している |
・多目的広場で競技が可能 |
柔道、剣道、
空手道、
日本拳法
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・武道館が老朽化し、雨漏りが多発
・空調設備・エレベーターがない
・同一フロアで同時利用3面まで
・隣接する競技面間の距離を適切に確保できない
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・武道館を多目的屋内施設に集約
・空調設備・エレベーターを整備
・同一フロアで同時利用6面まで可能
・隣接する競技面間の適切な距離を確保できる
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弓道、
アーチェリー
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・弓道は近的7人立、遠的6人立で利用
・選手間の距離を適切に確保できない
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・弓道は近的12人立、遠的6人立が可能
・選手間の適切な距離を確保できる
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相撲 |
・空調設備、観覧スペースがない |
・空調設備、観覧スペースを備えた相撲場を整備 |
バレーボール、
バスケットボール
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・豊橋公園内に競技可能な施設がない |
・メインアリーナで3面サブアリーナで2面利用可能 |
卓球 |
・メインアリーナで18面サブアリーナで10面利用可能 |
バドミントン |
・メインアリーナで16面サブアリーナで8面利用可能 |
ハンドボール |
・メインアリーナで1面利用可能 |
車いすバスケットボール、
ゴールボール
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・メインアリーナで競技可能 |
野球 |
・豊橋球場の老朽化が進んでいる
・豊橋球場は1面のみのため、大きな大会が1か所で開催できない
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・豊橋総合スポーツ公園に移転し、計3面の整備を計画 |
他にもこんな使い方ができます
グラウンドゴルフやゲートボールなどができるほか、豊橋まつりなどのイベント会場としても活用できます。
障害の有無にかかわらず利用できるインクルーシブ遊具などを設置しますので、誰もが安心して遊べます。
芝生の上でお弁当を広げたり、日光浴を楽しんだり、ご家族やグループでゆったりとした憩いの時間を過ごせます。
整備に関するQ&A
整備・運営を担う事業者を公募し、その提案により金額を最終決定します。基本計画策定時には、アリーナや武道場などを含む多目的屋内施設の整備に約150億円、また、こども広場やテニスコートなどを含む豊橋公園東側エリアの整備に約34億円と試算しましたが、国や県の補助金などを積極的に獲得することで、市の負担を試算額より減らします。
例えば直近の事例では、穂の国とよはし芸術劇場「プラット」は建設費の約37%を国からの補助金でまかなうことで、大幅に市の負担を減らすことができました。
豊橋公園には今と同程度の約400台の駐車場を整備しますが、大規模なイベント時には、周辺道路の混雑を軽減するため、多くの都市のアリーナ・スタジアムと同様に公共交通の利用を促進するほか、臨時バスの運行や、豊橋駅周辺の駐車場の利用を促進します。
また、豊橋まつりのようにまちなかから歩いて豊橋公園へ移動していただけるよう、商店街などと連携した楽しく歩けるまちづくりを進めます。
のんほいパークやアクアリーナ豊橋などの公共施設は、市民の皆さんに文化的で充実した行政サービスを提供するため、使用料のほか税金などを主な財源として運営しています。
例えば、のんほいパークも入場料だけでは運営できないため、年間約6〜7億円の税金を使っていますし、アクアリーナ豊橋でも年間約1.3億円を使っています。
多目的屋内施設では、基本計画策定時の試算によると、年間約0.6億円、それ以外の豊橋公園東側エリアでは年間約0.7億円の税金を使うことを想定しています。
今回の整備は豊橋球場などがある東側エリアだけですので、美術博物館などがある西側エリアの樹木については、影響ありません。東側エリアについては、樹木の保全に配慮するとともに、可能な限り、移植や新たに植樹を行うなど、公園全体の緑の保全に努めます。
大規模災害時には、多目的屋内施設を周辺住民の一時的な避難場所として活用するほか、帰宅困難となった施設利用者も受け入れます。非常用電源設備で72時間以上電気を確保するとともに、水、通信機能も維持されます。
さらに、豊橋公園という立地から救援物資の受け入れ基地や応援部隊の活動拠点としての役割も果たします。