葦毛湿原では、平成24年度に植生回復作業を実施しました。
これまでよりも大きな面積を行う大規模な作業で、一見すると、たくさんの木を伐って自然を破壊しているようにも見えますが、表土や森で埋まってしまい小さくなった「葦毛湿原をもとの状態に戻すために、このような作業を行いました。
木を伐って日当たりが良くなった所では、ミカワバイケイソウ(春)、タチシオデ(春)、ノカンゾウ(夏)等が沢山発芽し、絶滅状態だったコバノトンボソウ(初夏)が復活しました。
特に、表土やミズゴケを除去したところでは、土の中に埋まって休眠していた埋土種子が発芽したようです。絶滅状態だったコバノトンボソウのほか、ヒメミミカキグサ(夏)、ミカワシンジュガヤ(夏)、シラタマホシクサ(秋)、ミミカキグサ類(初夏~晩秋)がたくさん復活しました。
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イヌツゲの森を伐採し、表土を剥いで湿地を復元したところ、20年以上前の埋土種子からシラタマホシクサが復活しました。
春にはミカワバイケイソウが150株ほど発芽しました。(平成25年9月2日撮影)
小さな沢に沿って咲くシラタマホシクサ群落、ミズゴケを除去したところからたくさん発芽し、白い絨毯のようになりました。(平成25年9月2日撮影)
シラタマホシクサのつぼみ、小さな花がたくさん集まっており、下から順番に咲いていきます。ちょうど開花し始めたところです。(平成25年9月2日撮影)
20年以上前の埋土種子から復活したシラタマホシクサは、茎が太くて丈も高く、大きな花をつけています。(平成25年9月2日撮影)
木を伐って太陽の光が当たるようにしたところで、埋土種子から復活したコバノトンボソウ
(平成25年6月20日撮影)
埋土種子から復活したヒメミミカキグサ、高さは2センチほどで、2~3ミリ程の薄いピンクの花が咲きます。(平成25年9月2日撮影)
イヌツゲを伐採し、ヌマガヤを除去して表土を剥いだ所から、ミミカキグサ類が沢山発芽しました。
葦毛湿原には、日本に自生する4種類のミミカキグサがすべてあります。
ミミカキグサ(黄色花:中央~右側)
ムラサキミミカキグサ(紫花:右下)
ホザキノミミカキグサ
ヒメミミカキグサ
(平成25年7月6日撮影)
イヌツゲを伐採し、ヌマガヤを除去し、表土を剥いだ所。木道右側中央で表土を剥ぎ、小さな池を復活させたところからはミミカキグサ類が沢山発芽しました。(平成25年9月2日撮影)