1.計画策定の背景
平成23年3月に発生した東日本大震災は、広範囲に渡る未曽有の被害とともに膨大な災害廃棄物をもたらし、その処理は困難を極めました。
環境省は、東日本大震災で得られた経験や知見を踏まえ、「災害廃棄物対策指針(平成26年3月)」を策定し、災害時の廃棄物処理を迅速に進めるために、可能な限り事前に対策を講じておくことの重要性を示しています。
愛知県においては全域が「南海トラフ地震防災対策推進地域」に、また、南海トラフ地震に伴い津波が発生した場合に特に著しい津波災害が生ずる恐れがある地域として県内3市町(豊橋市・田原市・南知多町)が「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」に指定されています。
このような中、本市では発災時の廃棄物処理対策の充実と強化を図るため、「豊橋市災害廃棄物処理計画(平成28年3月)」を策定しました(平成29年3月に改訂)。
その後、環境省の「災害廃棄物対策指針(平成30年3月改定)」及び本市がモデル地域として採択された「中部地域ブロックにおける災害廃棄物処理モデル事業(平成31年3月)」、「豊橋市地域防災計画(平成31年2月修正)」をふまえ、関係計画等と整合を図るため、令和2年3月に改訂しました。
2.計画策定の目的
「豊橋市地域防災計画(平成28年2月修正)」が想定する災害により大量に生じる廃棄物等を、迅速かつ適正に処理するために必要な事項を定め、市民の生活環境を守り、地域の早期復旧・復興に寄与することを目的として策定しました。
3.対象とする災害
種類
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過去地震最大モデル |
震源域
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南海トラフ周辺 |
震度
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震度6強 |
4.災害廃棄物発生量推計
項目
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発生量(千t)
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災害廃棄物
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1,707
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津波堆積物
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517
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5.災害廃棄物の処理
災害廃棄物の処理に関する基本方針は次のとおりです。
(1)衛生的かつ迅速な処理
災害で発生したし尿を含む廃棄物の処理等については、速やかな防疫と復旧・復興の観点から、
衛生的かつ迅速に進めます。
(2)計画的な処理
多量に発生する災害廃棄物に対応するため、仮置場の適正配置や有効な処理施設の設置による
計画的な処理を進めます。また、他自治体や民間事業者と相互協力体制の構築を図るとともに
広域的な処理についても検討していきます。
(3)安全・環境に配慮した処理
災害廃棄物の解体・運搬・保管・処理の各工程の作業は、安全性を十分に確保しつつ、周辺の
生活環境への影響に配慮して進めます。
(4)分別・リサイクルの実施
建物解体時から廃棄物の分別を行い、リサイクルを推進します。
豊橋市災害廃棄物処理計画 本文