屋上緑化とは
屋上スペースに木や草花など植物を植えることによる断熱効果を生かし、夏は涼しく冬は暖かい室内を保ち、エネルギー削減に役立てようというもので、環境問題への有効な対策として屋上緑化は大きく注目されています。
壁面緑化も建物に当たる日差しや紫外線を弱めることで省エネ効果があります。
屋上緑化の効果
屋上緑化の効果としてビルや建物の屋上スペースに木や草花を植えると植物や用土による断熱効果や、用土に含まれる水の蒸発時に熱を奪うことで建物内の温度が低下するなど、ヒ-トアイランド現象の緩和ができます。
特に夏場には、植物や用土が太陽熱を吸収し、自然のクーラーの役目をしますので、クーラーの廃熱による気温の上昇を抑えることが出来ます。その結果省エネにも繋がり、CO2の削減に貢献でき、地球温暖化の軽減にもなります。
豊橋市役所の取組み
豊橋市では、平成24年度にあいち森と緑づくり税を財源とする「身近な緑づくり事業」を活用し、市庁舎西館屋上にトレー式緑化パネルによる屋上緑化を実施しました。
緑化の概要
1.設置場所
豊橋市役所西館屋上(9階、R階)
2.設置面積
471m2(50cm×50cmトレー 1,884枚)
3.植物
常緑キリンソウ、メキシコマンネングサ
4.植物の特徴
乾燥に強く、自然降雨で成長します。
5.効果
冬場でも枯れず、翌年の春には再び緑の状態になります。
東館13階西側展望ロビーよりご覧いただけます。
屋上に入ることはできませんが、近くからみるとこのような感じです。
ここで屋上緑化の実際の効果を見てみましょう。
まず、屋上の表面温度をサーモカメラという特殊なカメラを使って測定してみました。
温度測定の結果、屋上緑化をしているところは低い温度を示す青色で、設置していないところは高い温度を示す赤や白色になりました。実際の温度は、青色の部分が31~32℃程度、赤色や白色の部分が45~47℃程度となっています。
屋上緑化を設置することで表面温度を15℃程度下げる効果があることが分かりました。
また、屋上の真下にある西館8階議場の室内温度を測定してみました。
屋上緑化によって屋上からの熱の侵入を防いだ結果、議場の室内温度は0.8℃程度下がりました。
屋上緑化を施工したことにより屋外から屋内への熱の侵入が少なくなったことが測定結果から明らかになりました。熱の侵入を少なくすることにより、空調負荷を減らすことができ、省エネにつながります。
事業所等でも取り入れてみてはいかがでしょうか。