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下水道の雑学
処理水の水質
水質試験
中島処理場では、流入下水(:中島処理場へ流入する下水)、初沈越流水(:最初沈殿池から出て、反応タンクに入る下水)、放流水(:下水処理が終わって中島処理場から川へ出す放流水)の水質試験を行っています。
放流水については、水質汚濁防止法で排水基準等が定められていて、その基準を満たす処理ができていることを確認しています。また、反応タンクでの水質試験も行うことで、下水の処理工程における処理効果を確認し、きれいな水を川へ出すことができるように調整しています。
反応タンクの水を採取する様子
水質試験結果
代表的な水質試験項目の水質試験結果について、野田処理場、中島処理場、富士見台処理場の平均値を記載します。
記載した試験項目の他に、カドミウム、水銀等の金属や揮発性有機化合物などについても試験をしています。これらすべての試験結果について排水基準を超えるものはありませんでした。
令和5年度水質試験結果(年平均値)
・野田処理場(現在は廃止されています)※4~5月の実績
水質試験項目名 |
野田処理場の放流水 |
放流水の基準値(日間平均値)
|
pH(水素イオン濃度) |
6.9 |
5.8~8.6 |
BOD (生物化学的酸素要求量) |
2.4 |
160(60) |
COD(化学的酸素要求量) |
5.9 |
20 |
SS (浮遊物質量) |
5 |
200(120) |
窒素含有量 |
5.8 |
25 |
りん含有量 |
0.53 |
2.0 |
大腸菌群数(個/cm3) |
30未満 |
(3,000) |
単位=pH、大腸菌群数以外は mg/l
・中島処理場
水質試験項目名 |
中島処理場の放流水 |
放流水の基準値(日間平均値)
|
pH(水素イオン濃度) |
6.8 |
5.8~8.6 |
BOD (生物化学的酸素要求量) |
5.3 |
160(20) |
COD(化学的酸素要求量) |
6.9 |
20 |
SS (浮遊物質量) |
3 |
200(70) |
窒素含有量 |
8.7 |
20 |
りん含有量 |
0.35 |
1.5 |
大腸菌群数(個/cm3) |
30未満 |
(3,000) |
単位=pH、大腸菌群数以外は mg/l
・富士見台処理場
水質試験項目名 |
富士見台処理場の放流水 |
放流水の基準値(日間平均値)
|
pH(水素イオン濃度) |
6.9 |
5.8~8.6 |
BOD (生物化学的酸素要求量) |
1.2 |
25(20)
|
COD(化学的酸素要求量) |
6.6 |
20 |
SS (浮遊物質量) |
3 |
70(50)
|
窒素含有量 |
6.4 |
25 |
りん含有量 |
0.11 |
1.0 |
大腸菌群数(個/cm3) |
30未満 |
(3,000) |
単位=pH、大腸菌群数以外は mg/l
用語の説明
pH(水素イオン濃度)
pH:溶液中の水素イオン濃度を示す尺度で、酸性、アルカリ性の度合を示します。
pH 0~7 |
酸性(数値が小さくなるほど酸性の度合が強くなります。) |
pH 7 |
中性 |
pH 7~14 |
アルカリ性(数値が大きくなるほどアルカリ性の度合が強くなります。) |
pH試験の様子
BOD(生物化学的酸素要求量)
BOD:Biochemical Oxygen Demand(生物化学的酸素要求量)の略。有機物による水の汚濁の程度を示す指標で、水中の汚濁物質が20℃で5日間のうちに微生物により酸化分解される過程で消費される酸素量のことをいいます。単位はmg/l(水1リットル当たり消費される酸素のmg数)で表します。
BOD試験の様子
COD(化学的酸素要求量)
COD:Chemical Oxygen Demand(化学的酸素要求量)の略。有機物による水の汚濁の程度を示す指標で、水中の汚濁物質を分解するために必要な酸化剤の量を酸素量に換算したものをいいます。単位はmg/l(水1リットル当たり消費される酸素のmg数)で表します。
COD試験の様子
SS(浮遊物質量)
SS:suspended solids(浮遊物質量)の略。粒径2mm以下の、水に溶けない懸濁性の物質のことをいいます。一定量の水を取ってろ過したあと、残留物を乾燥してその重量 を測り、それを水中の濃度(mg/l)で表したものです。浮遊物質には無機質のものと有機質のものとがあり、数値が大きいほど水質汚濁が著しいことを示します。
SS試験の様子
窒素含有量
水に含まれる窒素(アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素、有機性窒素等)の総量を示します。生活排水や工場排水に多量に含まれています。生物の成長に必要不可欠なものですが、湖沼や海域の富栄養化を促進する要因となります。
窒素の試験の様子
りん含有量
水に含まれるりんの総量を示します。りんは、し尿や洗剤、肥料等に多量に含まれています。生物の成長に必要不可欠なものですが、湖沼や海域の富栄養化を促進する要因となります。
りん含有量試験の様子
大腸菌群数
人や動物の糞便中には大腸菌が多く存在するため、これを測ることにより糞便による汚染の程度を知ることができます。
大腸菌群数試験の様子