【ひとり親家庭向けの子育てコラム】
~五十嵐岳さんインタビュー~
第2回目「反抗期と母」
大切に思われていると感じた
―息子がそろそろ反抗期に入る年頃なんですが、どうしたら良いんだろうと思います。私自身が女性ということもあり、男の子って分からないんですよ。岳さんの反抗期はいかがでしたか。
僕、反抗期は結構どうしようもない感じが長かったんですよ。ドアを壊しちゃったり、母が傷つくようなことを敢えて言ってみたり…。でも、母はちゃんと受け止めてくれました。
—お母さんはどのように受け止めてくれていたんですか。
話を聴こうとしてくれました。僕が面倒くさくて話さないこともあったんですけど、ちゃんと関わろうとしてくれました。僕が話さなくて母は怒っていたけど、日々の声掛けをしてくれて、心配してくれていたのは伝わってきました。僕は無下にしていましたけど、大切に思われていたことは感じましたし、きょうだい分け隔てなく、一人ひとりに向き合ってくれていることを感じられましたね。
友達も大事にしてくれた
—関わろうと声をかける、認める…私は怒ってしまうことが多い気がします。
関わるといっても、うちはいい意味で放任主義でしたよ(笑)。勉強しなさいとかこれしなさいとか言わなくて、きょうだいげんかもどんなにエスカレートしても止めなかったです。あまりにひどいと、母は止める代わりに泣いていました。僕らも母を悲しませるのは違うなと思ってやめました。
あと、母は僕の友達のことも大事にしてくれました。友達が学校に行けなかったとき、バス停まで行って戻ってきたら、母が「バス停まで行って頑張っているね」って声をかけていて、認めていましたね。
きょうだいの存在の大きさ
僕、4人きょうだいの一番上なのですが、すぐ下の妹は頭が良くて口では勝てなくて、つい手を出してしまうことがあって、その時は、もう一つ下の弟に「岳ちゃん、殴ったら岳ちゃんの手も痛いでしょ」って言われましたね。きょうだいの存在って大きいです。
—きょうだいのお話が出ましたが、お兄ちゃんとして頑張ってしまうこと、役割を担おうとすることってありましたか。
ありましたよ。きょうだいに「食べたものは残さないように」とか、「部屋をきれいにしろ」とか、口うるさいくらいに言っていた時期がありました。僕、そんなに勉強が得意ではなかったので、勉強しろとかは言わなかったですが(笑)。代わりに自分が自信を持って言えることを言っていました(笑)。
寄り添ってくれる人がいることが大切
僕も年頃になると、友達との遊びが優先になっていましたよ。家族旅行も行かなくて、僕が行かないならみんなも行かなくていいよねって、なくなったこともありました。夜遊びもしていました。でも、いわゆるグレるということはなかったですね。他人に迷惑をかけることはしていなかったです。例えば、万引きとか。そういう母が悲しむことを想像したらできないですよね。自分の行動に足踏みするし、誰かのためと思えばやれることもあるから、寄り添ってくれる人がいるのは大切だと思います。だから、自分も人に寄り添ったり、人に関わったりしていきたいですね。
(来月の第3回目は、「周りと私」をお届けします)