【困難への対処と人とのつながり方】
皆さん、こんにちは。今回は、私なりの困難への対処と、人とのつながり方を共有させてください。
ひとり親、ふたり親に関わらず、仕事、や子育て、家事をするのは大変ですが、ひとり親の場合、ワンオペ特有の物理的な難しさが多々あると思います。実際、私は東京に頼れる家族や身内がおらず、自身が体を壊したときや身動きが取れないときに、子どもや他のことで物理的な対応ができず心底困った事が何度もあります。
<シングルファーザーは孤立する傾向にある>
厚労省のデータ(令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告)などからも確認できるとおり、シングルファーザーの約45%が相談相手を必要としない、または必要だがいない傾向にあると言われています。これらの背景に関して、シングルファーザーに関する論文や文献では、周囲が抱く父子家庭に対する先入観への恐れ、またジェンダー規範や家族への罪悪感が原因で内外に居場所を持ちづらくなり、地域社会からも遠ざかり「孤立」し「孤独」になるといった見方もあります。
正直、私自身も重なる部分は多かったように思えます。
また、仮に自覚していなかったとしても、同じような境遇のシングルファーザーは、私の周りにも沢山います。
<しんどい時は声に出す>
私は「もうしんどい」と思うタイミングが何度かありました。「”ここ”を頑張ったら後戻りできなくなる」。精神的に回復できるかどうかわからない岐路に立たされている状態で、完全なSOSの発信です。
その際、私がとった行動は、子どもと周りの方々に「自分が今しんどい状態」を正直に伝えたことです。幸いにも子どもや周りの方々は状況を理解し、私が生活しやすいリズムや環境を整えてくれました。仮に頑張り続けていたら、今の暮らしがあるかわかりません。その後も、同じような難しい時期を何度か経験しましたが、素直に心の中で「ごめんなさい、できません」と呟き、緊張を解くことで対処してきました。
<横のつながりをつくる>
ただ、シングルファーザーの場合、SOSの発信の時点で既に限界を超えているケースも少なくありません。
やはり”規範”も他の人への相談のしづらさの背景にあるかも知れません。
シングルファーザー同士は尚更です。
周囲が抱く先入観、ジェンダー規範、家族への罪悪感等々、本来は共有・共感できるところは多いにも関わらず、なぜか境遇の困難性で上か下かのマウントの取り合いをする人たちも少なくありません(ただ、彼らも悪気はないのです)。
そのため、私は縦の関係ではなく横のネットワークを育むことを大切にしています。
自身が発起人となったネットワークがありますが、誰が上、誰が下、誰が代表といった拘りはゼロです。”規範”に苦しんできたからこそ、フラットな横のネットワークが必要であり、本当に苦しんだ人たちは、壁を取っ払い、”規範”から解放され、少しでも笑顔の人が増えるようなネットワークを広げていきたいと思うのです。
今後も、そのような心がけで人とのつながりを大切にしていきたいと思います。
(吉中 晋吾)