1.渡航先の情報を入手する
渡航前に、滞在先でどんな感染症が流行しているか情報を集めて、感染を予防するための方法を確認しておきましょう。また、滞在先の医療事情情報も併せて確認しておくとよいでしょう。
<感染症発生情報>
<医療・健康関連情報>
2.予防接種
海外では日本で生活している時よりも感染の危険が高まります。滞在する地域の感染症の流行状況に応じて、旅行前に予防接種を検討しましょう。特に長期に滞在する場合や、日本では見られない感染症が流行している地域に滞在する場合は接種することをお勧めします。
予防接種によっては数回受けないと効果がないものや、予防接種証明書が入国要件となるものもありますので、渡航の3か月以上前に、専門の医療機関などに相談しましょう。
3.体調管理
感染症を予防するためには体調管理が大切です。出発前から体調を整えておきましょう。また、持病のある方はかかりつけ医に相談し、普段服用している薬の飲み方についても確認しておきましょう。
4.海外旅行保険
海外で医療を受けた場合、高額な医療費を請求されることがあります。急な体調の変化に備えて、出発前に海外旅行保険に加入しておくことをお勧めします。(健康保険が適用されない医療費は対象とならない場合や、適用されても現地の病院でいったん医療費を支払い、帰国してから払い戻しの手続きをする場合があります。その他詳しくは各海外旅行保険会社にお問い合わせください。)
旅行中の注意
1.手洗いはしっかりと
感染症の原因であるウイルスや細菌の多くは、手を介して身体の中に入ってきます。こまめに手を洗うことを心がけ、特にトイレの後や食事の前の手洗いはしっかり行いましょう。
2.食べ物・飲み物に注意
水は市販のミネラルウォーターか、一度沸騰させた水を飲みましょう。
飲食店では、生野菜や生魚、氷などを避けて、よく加熱された食べ物を選びましょう。提供された(または購入した)食事は長時間放置せず、速やかに食べましょう。
また、殺菌されていないミルクや乳製品を口にすることは避けましょう。
3.環境(水辺や土壌)に注意
川や海、湖沼などの水辺には感染症の原因となる寄生虫や細菌がいることがあります。水遊びやマリンスポーツをするときは注意しましょう。
また、土壌にも病原体がいますので、安全が確認できない場所では裸足で歩いたり肌を露出したりしないようにしましょう。
4.虫に注意
海外では、蚊やダニなどの節足動物が媒介する感染症も多く見られます。虫に刺されないようにできるだけ虫がいるところを避けるか、虫除け対策を徹底しましょう。
5.動物に注意
野生動物はさまざまな病原体を持っていることがあり、咬まれたりひっかかれたりすると感染する恐れがありますので、不用意に接触しないようにしましょう。もし、滞在先で動物に咬まれた場合は、傷口をきれいな水で洗い流し、速やかに医療機関を受診しましょう。また、野生動物に限らず、飼育動物等に接触した後はしっかり手を洗いましょう。
6.羽目の外しすぎに注意
感染症のリスクは動物や虫だけではありません。
海外旅行では開放的な気分になることもあるため、性感染症(HIV、梅毒、クラミジアなど)に感染しないよう安易な行動は避けましょう。コンドームの使用により予防する方法もありますが、オーラルセックスで感染することもあります。感染を防ぐには不特定の人との性行為を避けることが最も効果的な方法です。
海外で不特定の人との性行為をした方は、帰国後3か月後を目安に検査を受けましょう。
帰国後の注意
空港や港にある検疫所では健康相談や検査を行っています。帰国時に、発熱や下痢、腹痛などの症状がある場合は必ず検疫所に申告してください。初めは軽い症状であっても、その後体調が悪化することがあります。感染症の疑いがあれば無料で検査を受けることができるので積極的に相談しましょう。
帰国時に症状がなくても、数日~数週間後に症状が現れることがあります。体調が悪化した場合は、速やかに医療機関を受診し、医師に渡航先や渡航期間を伝えてください。