麻しんと風しんはそれぞれ麻しんウイルス、風しんウイルスによって引き起こされる急性の感染症です。一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われますが、まれに再感染することがあります。
どちらも特効薬がなく、感染を予防するには予防接種が効果的です。麻しん・風しんは海外で流行していることがありますので、麻しん・風しんの免疫がない方は海外渡航前に予防接種を済ませましょう。また帰国後2週間程度は麻しん・風しん発症の可能性も考慮して健康状態に注意してください。
豊橋市内の麻しん、風しんの発生状況は「全数把握対象疾患の発生状況」をご覧ください。
麻しん(麻疹、はしか)
2015年3月、日本はWHO(世界保健機関)から"麻しん排除認定"を受けましたが、海外からの持ち込みによる麻しん患者の発生が見られ、麻しんワクチン未接種者の集団感染となることがあります。
なお、2018年以降、全国で麻しんが流行しています。
感染経路 |
空気感染・飛沫感染・接触感染による。同じ部屋にいるだけでも感染し、麻しん患者1人から平均12~18人が感染すると言われる。
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潜伏期間 |
感染後10~12日。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症する。 |
症状 |
発熱や咳、鼻水といった風邪症状から始まり、2~3日熱が続いた後39℃以上の高熱とともに発疹が現れる。肺炎や中耳炎を合併することもあり、1,000人に1人の割合で脳炎を発症することもある。 |
予防方法 |
麻しんウイルスは非常に感染力が強く、手洗い、うがい、マスクによる予防効果はほとんどない。予防接種(MR(麻しん風しん)混合ワクチン、麻しん単独ワクチン)が最も有効。 |
風しん(風疹、三日はしか)
2014年以降、風しんの患者報告数は減少していましたが、最近は海外で感染し帰国後発症する例が見られます。
なお、2018年以降、全国で風しんが流行しています。
感染経路 |
飛沫感染・接触感染による。人混みなど、特に職場、家族・同居人、接客業での感染が起こりやすい。風しん患者1人から平均6~7人が感染すると言われる。
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潜伏期間 |
感染後16~18日。 |
症状 |
発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状がみられる。2,000~5,000人に1人の割合で脳炎や血小板減少性紫斑病を発症することもある。
成人がかかると子どもに比べて発熱や発疹の期間が長く、関節痛が強く現れる。
妊娠初期(特に20週まで)の妊婦が風しんに感染すると、難聴、白内障、心疾患などの先天性疾患(先天性風しん症候群)の子どもが生まれることがある。 |
予防方法 |
予防接種(MR(麻しん風しん)混合ワクチン、風しん単独ワクチン)が最も有効。ただし、妊娠中の女性は予防接種を受けられないため、抗体を持たない又は低い抗体価の妊婦は可能な限り人混みを避け、不要不急の外出を控える。また、妊婦の同居家族は風しんを発症しないようにする。 |
麻しん・風しんを疑わせる症状が出たら
周りに麻しん又は風しんと診断された方がいたり、麻しん・風しんが発生している地域に行かれたりしてから、麻しんや風しんを疑わせる症状が現れた場合は安静にして外出を控えてください。
受診する場合は、事前に医療機関へ電話等で麻しん又は風しんの疑いがあることを伝え、注意点を確認して指示に従ってください。医療機関へ移動する際は、できるだけ公共交通機関の利用を避け、マスクを着用してください。
麻しん・風しんの予防‐ワクチン接種を検討しましょう
感染予防のためにはワクチン接種が有効です。特にワクチン未接種の方や、医療関係者・学校関係者は接種が推奨されます。
予防接種法では定期接種として1歳児(MR1期)と小学校入学前1年間の幼児(MR2期)の2回の接種機会が定められており、対象年齢の間は無料で接種できます。豊橋市では標準的な接種年齢に達したお子さんに個人通知を送っています。
- 豊橋市では先天性風しん症候群の予防のため、風しん抗体検査と風しん予防接種にかかる費用の助成を行っています。妊娠を希望される方やその周囲の方に風しんの免疫がない場合は、先天性風しん症候群予防のため風しんワクチンの接種が推奨されます。風しんの免疫があるかどうか不明な方は抗体検査を受け、抗体価が低い場合はワクチンを接種しましょう。詳しくは「 風しん抗体検査・予防接種費用の一部助成について」をご覧ください。
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2018年からの風しんの流行を受け、昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性を対象とした定期接種(5期)を実施しています。対象の方にはクーポン券(有効期限:令和7年2月末)をお送りしています。詳しくは「風しんの追加的対策(抗体検査・予防接種)について」をご覧ください。
※豊橋市での麻しん抗体検査と麻しん予防接種にかかる助成事業は令和4年3月31日に終了しました。
参考