シングルマザーの多くは世帯主です。当たり前のようですが、意外と驚かれることも多いです。どちらかと言うと、世帯主であることより、母親であることに意識がいきやすいのでしょう。この意識は社会全体だけではなく、当事者であるシングルマザー自身もそう考えていることも多いです。
「母親であること」、「父親であること」と、世帯主であることも考えていかなければなりません。
時代は変わりつつありますが、それでも夫婦揃っている場合、この役割を性別で役割分担を考え、母親が家庭を守り、父親が世帯主として働くことが多いです。一般的に女性は経済的補完の役割となる仕事を選ぶ傾向が高く、この考え方を「主婦脳」と呼んでいます。一方、男性は経済的支柱の役割となる仕事を選ぶ傾向が高く、この考え方を「世帯主脳」と呼んでいます。
疑問なく、性別役割分担の考えを持つ人も多く、女性は離婚後も「主婦脳」で仕事を探し、世帯主であるにもかかわらず経済的補完の役割の仕事に就いてしまうことが多いです。一方で、「世帯主脳」で経済的支柱の役割を果たす働き方をした場合、罪悪感を持ちながら働く女性も多くいます。
しかしながら、家の外で母親が働いていると、子どもにとても良い影響があるというデータもあります。仕事をしている母親を持つ女の子は、将来高い学歴となり、管理職に就き、所得も高くなる可能性が、専業主婦に育てられた子に比べ約23%も高く、男の子の場合は家事や子どもの面倒をみるなど、家庭で協力的になる傾向が高いことがわかっています。
(ハーバードビジネススクールのHPより)
シングルマザーに話を戻しましょう。
シングルマザーは母親という役割と、世帯主という役割の両方を担うことになります。どちらも重要であり、どちらも疎かにできなません。しかし両方の役割に完璧を求める必要はありません。自分たち親子にあった両立のバランスと、精神的にも経済的にも安定した環境を手にいれることを考えていきましょう。
「世帯主脳」の考えを持ち、世帯主としての役割を果たす仕事をすれば、多くの場合経済的には安定することができます。同時に、実家がある方は実家を、気持ちを伝えられる友達がいる方は友達と、地域にある交流の場を活用することで、孤独を感じないような、安定した環境も手に入れて欲しいです。忙しいひとり親がそのような環境を手に入れることは、たやすいことではありません。だからこそ、そのお手伝いを自治体でも民間の支援団体でも出来るので、遠慮なく活用することをお勧めします。